モンゴル国立孤児院独自の発展について

2016年3月30日(水) |カテゴリー:

みなさま、こんにちは。
NGOユイマールスタッフの宮坂です。

NGOユイマールとして活動するのも、わずかとなりました。

本日は、皆さまに、2014年2月から支援をして参りました
モンゴル国立孤児院での独自の発展についてご紹介いたします。

ユイマールではモンゴル国立孤児院向けに、4つのプログラムを通して自立支援を行いました。
支援の詳細はこちらをご覧ください。

その後、モンゴル国立孤児院では、ユイマールの支援活動を独自に発展させ、下記の成果をあげるに至りました。

1. 子どもの諦め癖を努力癖へ
———2か国から海外コンサートに招待

ブリアート共和国にて

来日コンサート中止後も、先生の声がけにより子ども達は諦めずに音楽の特訓を続けました。先生方は「諦めなければ、チャンスは必ずめぐってくる。努力を続ければ、そのチャンスをつかむことが出来る」と子どもたちを奮い立たせました。
その結果、ロシアとブリヤート共和国の2カ国でコンサートに招待されたのです。コンサートには、来日予定メンバーだった16人に加えて、音楽プログラムを受講している4人が出演。ブリヤート共和国の孤児院の子ども達とも繋がりができ、友好孤児院としての関係を結んだとのことです。諦めずに練習を続けることで新しいチャンスを掴む体験をしました。子どもたちはモンゴルの大使館からも招待されコンサートを披露するなど、活躍の幅をモンゴル全土、海外へとひろげています。

———モンゴルのオーディション番組で決勝進出
アビアスラックモンゴル

ユイマールによる来日コンサート中止決定後、音楽プログラムを受けていた男の子達5人は、自分たちで馬頭琴バンドを組みました。そして、モンゴルのスター発掘オーディション「アビアスラックモンゴル」に応募・出場し、決勝まで駒を進めました。これまでモンゴル国立孤児院の中で、子ども達が自主的にバンドを結成した事例はありませんでした。子ども達が自ら新しい目標を立て、実行に移した初の事例となりました。残念ながら、オーディションで優勝は逃しましたが、テレビで演奏を披露するなど、目覚ましい活躍をみせています。

2.先生たちの変化、他へのひろがり
———モンゴル初の「孤児の自立」に関する論文と「子どもの自立ガイドブック」作成

自立に関する論文

ボルマー所長は、ユイマールとの2年間の協同を基に、モンゴルで初めての「孤児の自立」に関する論文を執筆、発表されました。所長になる前、孤児院卒業生に会えるだけ会ったところ、刑務所に入っている人、定職がないといった自立ができていない人が殆どだったといいます。その課題意識をもとに、ユイマールと共に自立支援プログラムを展開した結果、自立で大切なことは、子ども達が自分で夢を設定し努力する力、自己肯定感などの13項目ということが分かり、それを論文にまとめられました。更に、論文から派生して、孤児院職員向けの「子ども達の自立のためのガイドブック」を作り、モンゴル全土の孤児院に向けて自立へのノウハウをまとめました。

———子ども達の自主性を重んじる体制へ
国立孤児院女の子の部屋

当初、先生達は子ども達に対して、こと細かに指示を出す方法で指導を行っておりました。しかし、ユイマールの先生達向けワークショップ「子どもたちの自立のための指導方法」の後、子ども達の自主性に任せる指導方法に変化したそうです。
家事や孤児院での過ごし方について子ども達の自主性を重んじた結果、子ども達が自ら動くようになり、先生達の仕事の負担も減ったといいます。また、寄付をいただいた際にも、子ども委員会にその使途を決めてもらうなど、子ども達の意見を尊重するようになったそうです。

———意思決定の変化、孤児院の目標が変化
子ども達とブレスト

当初、孤児院では、所長が全ての意思決定を行い、トップダウンで先生たちにおろしていく体制でした。トップダウン方式の時には、先生方が受け身になり、所長が1人1人を呼んで事細かに指示をする必要がありました。
子ども達を自立へ導くためには、職員全員が同じ目標を持ち、自主的に働くことが必要だと、ユイマールの支援により、職員会議を主催し、経営者層と職員全員によって、孤児院の経営を考え、目標を設定しなおしました。結果、孤児院の先生たちの目標が「子ども達の自立」に変わりました。
孤児院では、更に、独自で職員会議を開き、目標を細分化し、先生が親の代わりを務められるような体制にするべく、先生たちが自主的に動き始めているそうです。

3.モンゴル政府からの自立支援プログラムへの助成が決定
———2016年度より音楽教師を倍の8人に

草原で演奏

子ども達の目覚ましい活躍と、自立支援の重要性から、モンゴル政府が国立孤児院の自立支援プログラムを支援することが決定しました。ユイマールが雇っていた4人の音楽教師の給与も全額助成されることになりました。更に、音楽プログラムを充実させるべく、洋楽器のクラスも設けることになり、新たに4人の音楽教師を孤児院で雇用できることになりました。

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国際協力には、「魚をとってあげるのではなく、釣りの仕方を教える」という言葉があります。

支援終了のご報告に、代表照屋とモンゴルへ渡航した際、ボルマー所長からは
「ユイマールは種をまいてくれた。本当にありがとう。」
「これからは私たちで自立支援をやっていけるから安心してください。」
と何度も、感謝の言葉をいただきました。

ユイマールの力がなくとも、国立孤児院での自立支援が存続し、発展していくということは、
ユイマールの国立孤児院での活動は、「釣りの仕方を教えてあげる」ことだったのではないかと感じています。

ボルマー所長は、「ユイマールとの活動の成果をモンゴル国内、世界に広げていきたい」とも、お話されていました。

独自にプログラムを発展させ、さらに、他の孤児院にまで貢献心をみせるボルマー所長と、国立孤児院の子ども達。

この様な素晴らしい孤児院に関わらせていただいたことを、ユイマールのスタッフとして誇りに感じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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